(C)NOZOMI KOSUDA
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 ニコンサロンの「juna21」(ユーナ21)では、年に6回、選考委員会が選んだ35歳までの若い写真家に展示スペースを提供し、年間24名の新進写真家が個展を開催している。5月28日から6月3日までは、小須田望(こすだ・のぞみ)の写真展「closed square」が開催されている。

 都市部の再開発などで新たに造られた場所には、海外の様式を取り入れた広場的な空間がよく設けられる。広場には人が集まり、コミュニケーションをとる場所として利用されている。多くの広場からは街路が放射線状に伸びていて、どこを辿っても広場に行き着くようにつくられている。人々は広場へ集い、他者との交流の場として活用してきた。

 小須田は今の広場に少し違う印象を持っている。人々は広場それ自体にはあまり関心を持たず、広場から伸びる道の先に関心を持っていると。広場はその先へ向かうため、通り過ぎるためのスペースと認識しているのでないのかと。あるいは、待ち合わせや、食事をするための場として。

 それぞれの時間やコミュニティーを通じて、人は偶然広場で居合わせる。他者との距離を無意識に保ちながら、行き交う人々が交錯するわずかな時間がここにある。小須田はそこに現代の都市空間の、ある完成した姿を見るのだという。

■小須田望「closed square」
会場:新宿ニコンサロン
開催期間:2013年5月28日~6月3日
住所:東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28F
営業時間:10時30分~18時30分まで(最終日15時終了)
TEL:03-3344-0565
最寄り駅:新宿