映画『ハリー・ポッター』シリーズで知られるエマ・ワトソンの主演最新作『コロニア』(原題:COLONIA)が、2016年9月17日より全国ロードショーとなる。日本公開決定にあたり、劇中カットやその詳細が解禁された。
本作品は1973年チリの独裁政権下の史実を基に、南米チリのピノチェト独裁政権下において拷問施設となった“コロニア・ディグニダ”を舞台にした脱出スリラー。“コロニア・ディグニダ”とは、少年への性的虐待の罪でドイツを追われた元ナチス軍曹、パウル・シェーファーが1961年に設立したドイツ系移民コミュニティで、チリ政府の密接な関係により勢力を拡大。経済力で周囲の住民の信頼を得ていた一方、ピノチェト政権下では秘密警察の拷問センター、秘密の大武器庫、武器密輸の中継基地という裏の顔を持っていた。40年間で脱出できた人数はわずか5人と言われている。
本作品のヒロイン・レナは、クーデターで囚われた恋人を救うため、その“脱出不可能”と言われる恐怖組織へ潜入。ポル・ポトと並ぶ世界でもっとも凶悪な歴史のひとつでありながら、日本ではあまり知られていない事実を背景にした本作品は、トロント国際映画祭ほか多くの映画祭で話題を呼んだ。
苛烈な状況をタフにしなやかに乗り越えていくレナに扮するエマ・ワトソンは、1年間女優業を休止し、国連の新しいフェミニズム活動の広報を担うなど、一人の女性としても輝きを増し、本作品では恋人との微笑ましい恋愛シーンから、コロニア内での信用を得るため服を脱ぐシーン、折檻や極限での脱出シーンなどを体当たりで演じ、今までとは違う「大人のエマ」に成長した姿を見せている。また、囚われた恋人・ダニエルを『ラッシュ/プライドと友情』(14)のダニエル・ブリュール。そして恋人たちを精神的に肉体的に追い詰める教皇、パウル・シェーファーを『ミレニアム』シリーズで知られるミカエル・ニクヴィストが怪演している。
本作品についてエマは、「愛のためにどこまでできるか。女性は囚われる側を演じることが多いですが、この映画では女性が男性を救いに行く。その設定に惹かれました」と出演の経緯を語る。フロリアン・ガレンベルガー監督も「強いだけの女性ではだめ、勇敢さと弱さを併せ持っていないと。光を持った女性を暗闇に送り込みたかった。そんな女優はエマしかいない。彼女はいつも眩しい光を発している」とエマの存在感を絶賛している。
◎映画『コロニア』(原題:COLONIA)
2016年9月17日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー
出演:エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・ニクヴィスト ほか
監督:フロリアン・ガレンベルガー
2015年/ドイツ・ルクセンブルク・フランス/英語・スペイン語/シネスコ/5.1ch/110分/G
提供:日活
配給:REGENTS、日活
宣伝:長村亜紀、熊谷陸子(アルゴ・ピクチャーズ)、村井卓実
協力:松竹
<STORY>
1973年9月11日。フライトでチリを訪れたドイツのキャビンアテンダント・レナは、恋人でジャーナリストのダニエルとつかの間の逢瀬を楽しんでいた。しかし、突如チリ軍部によるクーデターが発生。ダニエルは反体制勢力として捕らわれてしまう。レナは、彼が慈善団体施設“コロニア・ディグニダ”に送られたことをつきとめるが、そこは“教皇”と呼ばれる元ナチス党員パウル・シェーファーが独裁政権と結びつき、神の名の下に暴力で住人を支配する“脱出不可能”な場所だった。誰の助けも得ることができない……レナはダニエルを助け出すため、ひとりコロニアに潜入することを決める。はたして、彼女は恋人とともにここから脱出することができるのか。