iPhone用のアプリケーションはいまや世界中で65万本もあるけれど、イケメンのアプリはまだまだ少ない。写真集や恋愛ゲームの類はあるけれど、私がほしいなと思っているのは、フォトストーリーで、これは見当たらなかった。
フォトストーリーというのは、写真とお話が1ページずつ交互に出てくるようなものである。書店に行くとそうしたものはいくつかあるのだけれど、まだアプリとしては普及していない。
なので私はそれを作りたかった。もう2、3年、言ったり、ツイッターに書き続けたりしてきたと思う。そしてこの夏、やっと「アプリ作りましょう」とノッてくれるところが現れた。
配信元が決まったら次はモデルさん探しで、ダメもとでジュノンボーイの川村聖斗くんにお願いできたらと事務所社長さんにお話してみたら、思いがけないほどあっさりとOKをいただいた。
夢見心地で考えたお話は、「タキシードの彼が結婚する女性を奪いに行く」というもの。
そうするとタキシードが必要になってくる。知り合いのウェデングプランナーさんに相談したら、銀色に輝く素敵なものを貸していただけることになった。撮影場所はいつもお世話になっている原宿のカフェ。さらに、お話を英訳してくださるかたも現れた。これで海外の人にもダウンロードしていただけるようにもなった。多くの人のお力をお借りしながら、私の夢のアプリは順調に進んでいった。
撮影の日のことは、よく覚えていない。とにかく目の前にいる男の子がとても美しくて、自分がそれ以上に撮らなくてはと必死だった。気づくと撮影時間は想定を大幅にオーバーしてしまっていた。
画像にあまり自信がなかったのだけれど、アプリをご覧になった事務所社長さんが、「次はうちの他のタレントも撮ってほしい」と言ってくださったのが、何よりもうれしかった。一眼レフをいじるようになってもう20年目なのだけど、やっと自分の写真が認められた気がした。
そしてついに先日、アプリとしてリリースされた。一番の愛用者は多分、私だろう。だってこれこそ、私がずっと欲しかったアプリなのだから……。
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