実はこの夏、私にはヒマがあった。とある大きな仕事の予定があり、時間をあけておいたら、それが延期になってしまったからだ。
最近はケータイ小説ブームもあり、休みたくても休めず、盆も正月も書き続けてきたので、時間がぽこっと空いたことに、最初はとても戸惑った。ちょうど子どもたちも夏休みだし一緒に遊んじゃおうかとも考えたけれど、上の子は高校受験で毎日塾に行ってしまい、遊んでくれない。娘もキャンプだなんだと忙しく、家族で本当にヒマなのは、私だけだった。
この機会に今までやりたくても時間がなくてできなかったことはないか頭を巡らした。するとシナリオが浮かんだ。今まで書きたいと思ったことはあるけどイロハがわからず書けずに悔しい思いをしてきたのだ。この機会にキャリアアップをと思い、短期教室で基礎を叩き込んだ。
原稿用紙の使い方が小説とはまるで違うので最初は戸惑ったけれど、次第に慣れ、宿題もちゃんと提出し、わりとマジメな生徒だったと思う。そして自慢だけど、提出した課題は一語一句直されなかった。
運気の流れというのは面白いもので、私の習い事は秘密にしていたのに、シナリオ教室に通っている間に2本のシナリオの依頼があった。しかもどちらも10分程度の短いもので、修行中の私にとって無理のない長さだった。
最初に書き上げたシナリオは上演日も決まり、先日リハーサルに参加してきた。自分が書いた通りに主人公が動き、喋る生々しさに、大衝撃を受けた。小説とは全く違う臨場感がそこにあった。バカな私は自分で書いたくせにヒロインのセリフに感動して目頭を熱くさせていた。
この夏はイケメンが大勢出てくる舞台も思い切り観まくった。そこでも舞台の展開方法を学ぶことができて、私にとってなかなかいい夏だったと思う。
私が6話のうち1話を担当した、有志で作るツイッタードラマ「Tweeple2」は9月25日上演で、ネットでも生中継されるのでぜひどうぞ!