娘が行ってみたいというので、ビッグサイトのデザイン・フェスタに行ってみた。
アート系コミケとでもいえばいいのだろうか、自作のイラストや雑貨などのブースが1000以上出展されているかなり大きなイベントだった。
絵描き志望の娘は最近、展覧会やアート系イベントに積極的に参加するようになった。傘に絵を描いてみたり、アールデコの展示に行きたがったり、すっかりアートな9歳になりつつある。
感心するのはきちんと「大きくなったら絵描きになるのだから、今から色々知っておきたいの」と考えているところだ。そういえば私も子どもの頃から「大きくなったら本を書くから本をいっぱい読んでおこう」と考えている子どもだったっけ。
さて1000もの小さいお店に娘は驚喜し、ひとつひとつを真剣に覗き始めた。おこづかいとしてもらった1000円札をしっかり握り、欲しいポストカードを自分で買ったりしている。
しかし1時間ほど経過すると彼女の足と頭が疲れ、アイスクリームをねだられた。「絵を描く人ってこんなにいっぱいいるんだね」と改めて世の中の広さを感じた様子。そして「さっき見た、ネコのストラップがどうしても気になる」とUターンして探し始めた。
どこで見たのか......探してもなかなかそのネコが見つからない。娘はあきらめず、シラミ潰しにお店を回り、とうとうネコを見つけた。可愛くて人気があり、もう在庫僅かになっていたため、見つけるのに苦労したのだった。
娘は祭りが大変気に入ったらしく、帰りの電車の中で、
「来年は私もあそこにお店を出す!」
と言い出した。出展した知り合いに聞くとブースを出すには2万円もかかるという。
娘にそれを説明してあきらめさせようとしたら、
「じゃあ2万円以上商品を売ればいいんだね!」
とむしろ張り切り始めた。
そして自作のお姫様イラストのポストカードを作って1枚100円で売ると言い始めた。困ってしまったけれど、何事も挑戦だと思い、私自身がツイッター小説とiPhone写真の展示を7月に原宿でやるので、その片隅でテスト販売してあげることにした。
イラスト用に娘が買った無地のポストカードは100枚315円。果たして彼女の絵を買ってくれる人が現れるかどうか、親としてもドキドキである。