性被害に遭うのは、女の子だけでなく男の子も多いので注意が必要だ(Getty Images)
性被害に遭うのは、女の子だけでなく男の子も多いので注意が必要だ(Getty Images)
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 ゲームやおもちゃで子どもの警戒心を解き、徐々に体の境界線に侵入する。身近な人からの性被害も多い。子どもを守るにはどうしたらいいのか。AERA 2023年3月13日号の記事を紹介する。(この記事では性暴力被害の手口を伝えるため、被害内容について書いています。フラッシュバックなど症状のある方はご注意ください)

【図】子どもの性被害を防ぐため大人ができることはこちら

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 公園で優しそうな若い男性が、ゲーム機で遊んでいる。小学生の男の子が興味を持って近づくと、「君もやってみる?」とゲーム機を渡してくれた。ゲームをしていると、突然画面が消えた。それまで優しかった男性が怖い声で言う。「ゲーム機が壊れちゃった。お母さんに言ったら怒られるよね。秘密にしておいてあげるから、ズボンを脱いで」。男の子は下半身を触られ、写真を撮られた──。

 これはよくある子どもへの性加害の手口だという。小さいころ、「怪しい人には気を付けろ」「暗い夜道や人通りの少ない場所は危ない」と教えられてきた人も多いのではないか。しかし、子どもへの性加害の手口は想像以上に巧妙だ。これまでに200人ほどの小児性加害者の治療に携わり、『「小児性愛」という病──それは、愛ではない』(ブックマン社)の著書がある精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんは言う。

「帽子にサングラスにマスクをして、長いコートを着たような、いかにも怪しいかっこうの加害者は、まずいません。性犯罪者は逮捕されないことが大事なので、透明人間のように景色に溶け込んで加害をするんです」

■2人だけの秘密だよ

 少し調べるだけで、巧妙な手口がいくつも出てくる。

 カードゲームを持って近づき、「強くしてあげる」「カードをあげる」などと言って自宅に連れ込む。「天使の像を彫りたいのでモデルになってほしい。1千円払う」と声をかけ、下半身をスマホで撮影する。「虫歯の検査をする」と言って近づき、舌をなめる。道に置いておいた500円玉を拾った子どもに「おじさんのだよ」と言い、階段の踊り場へ連れ込む──。

 多くの加害者は写真を撮ったり、「2人だけの秘密だよ」などと言ったりして口止めをするので、被害はなかなか表に出てこない。被害に遭うのは男児も多く、大型ショッピングセンターや公園のトイレでの被害も多いと斉藤さんは言う。

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