時間に余裕ができる夏休みは、いつもとちょっと違うことをやってみるチャンス。わが家では先日、小2の息子が初めて「料理」に挑戦しました。

 包丁をつかったり、火を扱ったりするのは、低学年にはハードルが高い――ということで、初めての料理は「おにぎり」作りです。「今日のみんなのお昼ごはん、おにぎりをひとりでつくってみない?」と聞くと、「え、オレひとりで?やってみる!」と即答。これまで枝豆の皮むきや大根おろしなど、親の料理を手伝ったことは何度かありましたが、「ひとりでつくる」というところが、本人のやる気を刺激したようです。

 活用させてもらったのは、「おむすびシェフ」というミールキットです。子どもだけで1食つくれることをコンセプトにつくられたもので、「しゃけマヨブロッコリー」や「まるごとハンバーグ」など、野菜や肉、魚などをふんだんに使った「タネ」が冷凍のパウチ状になっています。開発したMIRAIEの大宮千絵さん、安東迪子さんによると、「忙しい親たちが、時間をかけて準備しなくても子どもの食育に取り組めるように」という思いでつくったといいます。

写真・図版(2枚目)| 小2男子、初めての「料理」に挑戦しました【編集部blog】
写真・図版(3枚目)| 小2男子、初めての「料理」に挑戦しました【編集部blog】

 子ども向けのつくり方の「解説動画」をYouTubeでいっしょにみて、早速スタート。炊いたごはんをボウルに移すところまで私がやり、あとは息子に任せます。

「袋をあけたらハンバーグの匂いがしてきた」
「みて!混ぜたらごはんの色が変わったよ」
「指を曲げて握ったら、ハートの形になった!」

 レンジで温め、袋を切り、米に混ぜて握る。シンプルな手順ですが、息子はつくる過程で起きる「変化」を楽しんでいるようでした。とにかく早く効率よくつくることを意識して料理と向き合っている私にとって、遊びながら、笑いながら、寄り道しながらのおにぎりづくり、みているだけで新鮮でした。

 たくさんつくって疲れてきたところで、料理好きな中3の姉が手伝いに加わりました。「袋を切るハサミは刃を自分のほうに向けて渡すんだよ」「手にごはんがつかないようにラップを使ってみよう」。年の離れた異性きょうだいゆえ最近は一緒に何かをすることも少なくなりましたが、ひさしぶりに二人で楽しそうに取り組んでいました。

「おむすびシェフ」には、味噌汁のタネもついています。スティック状になったセミフリーズドライの野菜と味噌を汁椀に入れ、お湯を注ぐだけ。それでも「これ、オレがつくったんだよ」と息子は自信満々でした。

 5人家族のお昼ごはん、たくさんのおにぎりが食卓に並びました。「これは何の味だろう」「この形はなに」と、主役の息子を囲んで話がはずみます。つくるときも食べるときも、いろんなコミュニケーションが生まれるのが子どもの料理の醍醐味、と実感しました。

写真・図版(4枚目)| 小2男子、初めての「料理」に挑戦しました【編集部blog】

 AERA with Kids2025夏号の「生活力を上げる夏休み」特集では、「キッチンデビューのコツ」として、はじめてひとりで「スクランブルエッグ」づくりに挑戦する小学3年生をルポしました。連載「Eduキッチン」でも、親子でいっしょに楽しめるアイスクリームのレシピを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

(編集部/鈴木顕)

※取材協力、商品写真提供/MIRAIE https://omusubi-chef.stores.jp/

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