中国メディアでも「ギャラ」について言及されたという米倉涼子と松嶋菜々子
この記事の写真をすべて見る

 20年以上賃金が上がらない経済的停滞に加え、昨今の円安により、海外では「安い日本」というイメージが広がりつつある。こうしたなか、最近中国では、日本ではあまり触れられない「芸能人のギャラ」に関する記事が話題になっている。

【写真】ギャラが「中国の4~5流の女優と同じ」と書かれた日本のトップ女優はこの人

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、中国でも多くのファンがいる小栗旬や新垣結衣、生田斗真が出演しており、注目度が高くSNSでもよく話題になっています。中国国営メディアも視聴率や出演者にまつわる情報を配信するほど。そうした状況で、『女性自身』(光文社)が3月に報じた同ドラマの出演者の推定ギャラが中国メディアに引用され、日本のトップ俳優たちの報酬がなぜこんなにも安いのか、驚きを持って報じられたのです。SNSでは『安すぎる』『ゼロの数が一つ足りないくらいだ』という声があふれていました」(中国ウオッチャー)

 出演料に関して報じた中国メディア「捜狐新聞」(4月16日)のタイトルは「日本の俳優のギャラはどれほど安いのか? 中国と比較するとその違いに驚愕する」というもの。1位の西田敏行に関しては「過去13回に渡り大河ドラマに出演し、VIP待遇であるはずの西田敏行のギャラが1話当たり3.7万元(70万円)であることは予想外だ」と伝えている。

 似たような報道は他にも。「澎湃新聞」(2021年12月21)は、「日本のトップ女優のギャラはなぜ“白菜価格(破格の安値の意)”なのか」と、日本の週刊誌が伝えた米倉涼子や松嶋菜々子のドラマの推定ギャラ報道を引用。同じく「網易新聞」(22年1月5日)も、「中国国内の女優と比較し、日本の女優のギャラは安すぎる」と報じ、「日本のトップ女優のドラマ1クールのギャラは、中国のトップ女優の2日分のギャラにも届かない」と伝えている。過去にも「新垣結衣の収入は中国の4~5流の女優と同じくらい安い」という記事もあった(「遊侠網」2017年8月4日)

 サラリーマン同様、芸能人のギャラも十数年変わっていないということか。一方、中国の芸能界は近年、ギャラの高騰が社会問題化している。中国事情に詳しいライターの広瀬大介氏は言う。

次のページ 中国トップ女優のギャラは30億円?