志願者の男女比にも変化が生じている。一般入試の志願者全体に占める12年度の女子比率は46.8%。その後、徐々に増加し、18年度には50.9%にまで上昇した。19年度は48.5%、20年度も47.5%と下がったが、21年度に52.5%と女子比率が大きく上昇し、22年度は54.2%とさらに増加している。
なぜ増えたのか。立教大総長室広報課の和田務担当課長は「二つの要因」を指摘する。
「国際化を進めてきた結果、女子人気が高まっていった背景があります。そこに入試改革をした結果、さらに女子が増える結果となったと見ています」
一つずつ説明していこう。まず、国際的な学びについては、コロナ禍の今も根強い人気があり、特に女子学生の関心が高いといわれている。文科省の21年度の「学校基本調査」を見ると、国際関係学関係の学科に所属する男子学生は6590人であるのに対し、女子学生は1万1553人と約1.8倍だ。
立教大では14年に「国際化戦略」を公表し、海外大学などへの学生の派遣に取り組んだり、海外からの留学生の受け入れを増やしたりするなど、国際化を進めてきた。20年度からはより実践的な英語力を身につけるために、新しい英語教育カリキュラムをスタート。国際的な学びを希望する女子受験生の受け皿になったとみられる。
先の和田担当課長がもう一つの要因として指摘した「入試改革」は、なぜ女子の志願者増につながったのか。
大学入試センター試験が大学入学共通テストに変わるなど、21年度から入試制度改革が行われた。各大学の個別試験でも改革が行われ、首都圏の難関私大では、早稲田大、青山学院大、立教大などが21年度に入試内容を大幅に変更している。このうち早稲田大は政治経済学部で共通テストの数学I・Aを必須化、青山学院大では募集人員の多い入試を共通テストと学部独自の試験の併用型にした。その結果、AERA dot.記事<早稲田・政経、2年で志願者「3000人減」でも強気な理由><名門・青山学院大の志願者数が前年比3割以上激減>で既報のとおり、志願者数としては両大学ともに大きく減らした。