
ロッテ、楽天をはじめ様々な応援楽曲を制作している作曲家ジントシオ氏は、コロナ禍においても情熱を失うことなく精力的に活動を続けている。ジン氏制作の応援楽曲は盛り上がる人気曲として有名だが、その秘密について語ってもらった。
「応援は素晴らしい」が信条。ジン氏がこれまでに培った応援のイロハ、ノウハウ等をまとめた『野球と応援スタイル大研究読本』(株式会社カンゼン)が8月9日「野球の日」に発刊される。ここまでの応援家活動を振り返りつつ、応援について考察した一冊だ。
少年時代に通った西武球場(現ベルーナドーム)で野球応援に魅了された。日本ハム、ロッテ応援団として数々の応援現場を経験。韓国滞在期間中は音楽活動にも取り組み、2002年にはフジロックフェスティバルに出演。帰国後のロッテ応援団長時代は、伝統的応援スタイルに斬新性を組み込み、新たな可能性を模索した。その後オファーがあった楽天では応援プロデューサーとしてコロナ禍で試行錯誤を重ねた。
~神聖な都市対抗野球でトヨタ自動車の応援に参加
今著の編集期間、ジン氏の応援家人生にとって大きな出来事があった。第93回都市対抗野球(以下、都市対抗)において、トヨタ自動車吹奏楽団と一緒に東京ドームの晴れ舞台で演奏する機会が訪れた。
「(応援団席の)白いロープの内側に入って応援できるだけで感無量。出場チームの応援団しか入ってはいけない聖域です。社会人野球、特に都市対抗は各チームの関係者にゆかりある方々の大切な大会。私とは縁がないものだと思っていました。NPB応援団として関わったものとは全く異なる空間です」
「都市対抗の応援は野球応援の最高峰だと思います。時間等、多くの人が情熱をかけて応援する。応援団員の中には社業の一環として関わっている方もいます。私は応援プロデューサーという球団関係者の立場でも応援に関わりました。しかしNPB応援は基本、各自が好きで応援する趣味の延長です。学生応援も部活の一環で好きでやるものです。都市対抗応援とは全く異なるものです」