安田大サーカスのクロちゃんが、気になるトピックについて"真実"のみを語る連載「死ぬ前に話しておきたい恋の話」。今回のテーマは「ライバル」。安田大サーカス結成当初、メンバーのHIRO君に対して、強いライバル心を抱いていたクロちゃん。それは、人生初の挫折にもつながるほど強かったという。クロちゃんがHIRO君にライバル心を抱いていた理由とは?
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「今、クロちゃんとHIRO君が2位争いをしている」
ライバルについて考えていると、安田大サーカスの結成当初に、団長がよく漏らしていた言葉を思い出した。
もともと、ボクは、ライバルっていう存在についてあまり深く考えるタイプじゃない。子どもの頃を振り返っても当てはまるような人は正直あまりいない。しいてあげるなら、部活でバレーボールをやっていた時に、同じポジションの子を多少意識したくらい。でも、それも、そんな大げさなものじゃなかった。今だってそう。これだけたくさんの人が活躍する芸能界をみても、特に思い浮かぶ人はいない。
ただ、そんなボクにも、過去に一度だけ、強くライバル心を抱いた相手がいた。
それは、同じ安田大サーカスのメンバーであるHIRO君。これについては、誰にも明かしたことはないかもしれない。
あんな風に、他人を意識したのは、人生で初めてだった。「負けたくない」って気持ちがつねにあったからね。一時はかなりイライラしてしまったこともあったし。
なぜ、ボクがHIRO君をそこまで強く意識してしまったのか。
それは、安田大サーカスのネタづくりがきっかけだった。
ちなみに安田大サーカスは、もともと知り合いだった3人が意気投合して結成した、というわけじゃない。まったく何のつながりのなかった3人が、事務所にだまされて組まされたグループ(笑)。そもそも、ボクとHIRO君は芸人志望じゃなかったし。
だから、結成当初は、おのおのがどんな役割になるのか、まったく何も決まってない状態だった。