新型コロナ関連の融資制度を利用し、約6千万円をだまし取ったとして、大阪府寝屋川市議の吉羽美華容疑者(42)ら男女5人が8月1日、福岡県警に詐欺容疑で逮捕された。県警は認否については明らかにしていない。吉羽容疑者は最年少で市議に当選、何度も国政を目指し、自身の写真集を出すなど、地元では「アイドル」とも呼ばれ、人気だった。何があったのか。
5人は、堺市の介護サービスを実施している会社に対し、独立行政法人「福祉医療機構」(WAM)の「新型コロナウイルス対応支援資金」について、
「自分たちが仲介すれば融資される」
「融資された金額のうち半分を自分たちに渡せば、残りのカネは返済が不要」
などと働きかけ、2020年12月に、この会社が1億2千万円の融資をWAMから受けた際に、5940万円を業務委託料として大阪府内の会社に振り込ませ、だまし取った疑いが持たれている。
関係者によると、吉羽容疑者らは、コロナの感染拡大で業績が悪化している福祉施設や介護などの業務を手掛ける会社などを、融資勧誘のセミナーを開いて物色し、売り込みをかける際は、「WAMの関連機関」などと称し、吉羽容疑者は「寝屋川市議」の名刺を見せて、相手を信用させていたという。
筆者は過去の選挙で何度も吉羽容疑者を取材したことがある。人当たりの良さや、フランクさで有権者の懐に入り込み、地元では、
「美華ちゃんは、寝屋川のアイドルや」
などと言われ、抜群の評判だった。
吉羽容疑者は07年、当時は27歳という最年少で寝屋川市議に当選した。その後、12年に旧民主党、13年に新党大地から国政に挑戦するも落選。16年に阪南市長選、17年には東京都の小池百合子知事の希望の党から再度、国政にチャレンジしたがいずれも落選。19年に寝屋川市に戻り、市議選で返り咲いた。
「これからは議員の妻としてやっていきます」
と話し、谷川氏の選挙を手伝い、子どもも育てた。