他の野手では山浅龍之介(聖光学院・捕手)、片野優羽(市立船橋・捕手)、渡部海(智弁和歌山・捕手)、野田海人(九州国際大付・捕手)など捕手に好素材が多かった。特に春からの成長ぶりを見せたのが山浅だ。捕球から送球の動きが速く、コントロールも素晴らしいものがある。またバッティングも長打力がアップし、度々外野の後方へ大きい当たりを放った。プロ志望なら指名の可能性は高いだろう。

 大会前は目玉不在というのがもっぱらの評判だったが、それでも山田、松尾、浅野など注目された選手が圧倒的なパフォーマンスを見せており、全体的にも楽しみな選手が多い大会だったという印象だ。10月のドラフト会議でも、ここから多くの選手が指名されることも期待できそうだ。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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