まさに、それなんですよね。僕らが仕事している世界には、勉強が苦手で、運動も苦手で、だけど、自分が好きなことを見つけて、得意なことを見つけて、それを仕事にしている人が沢山います。
この映画を見て、あらためて、子供の好きを育ててあげたいと本当に思いました。
さかなクンがモデルの映画と聞くと、子供向けなんじゃないかと思う人も多いかもですが、親にこそ見てほしい映画だなと思っています。そして、かなり笑えます。声を出して笑った映画は久々かもしれません。本当に素晴らしい映画だなと思います。
この映画の主人公をよく「のんでいこう」と思いついたなと。そしてそれを決断したなと。

のんを主演にすることによって、制限されてしまうことも出てくるかもしれない。それでも、のんでいこう!と制作者一同が、決断した気持ち。
この映画には沢山の人の「強い気持ち」が溢れています。小沢健二の歌ですよ。「強い気持ち・強い愛」ですよ。
強い気持ちと強い愛が信念となり、この映画を作っている。のんが主演していることで、本当に唯一無二の映画になっています。
草なぎ剛君もそうですが、本当に実力のある俳優はどんな状況になっても素晴らしい作品に出会えるのだなと。映画って本当にいいものですね!と、水野晴郎先生の言葉が出てしまいます。
というわけで、「さかなのこ」。この映画を沢山の人が見て、そして沢山の賞とか取ったらなおいいな。
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中。