ペナントレースも終盤戦に入り、順位だけでなくタイトル争いも気になる時期となってきたが、今年はこれまでにない事態となっている。成績上位に入る外国人選手が非常に少ないのだ。
【写真】セ・リーグで“史上最強クラス”の助っ人として活躍した選手がこちら
9月1日終了時点で両リーグとも規定投球回数に到達した外国人選手はゼロ。規定打席はセ・リーグが4人、パ・リーグが2人クリアしているが、最も打率が高いマクブルーム(広島)でもリーグ11位(.2743)となっている。ホームランはオグレディ(西武)とレアード(ロッテ)が15本でリーグ4位タイとなっているものの、トップの山川穂高(西武)の37本とは大差となっており、タイトル獲得は絶望的だ。セ・リーグのリリーフではマクガフ(ヤクルト)、R.マルティネス(中日)、エスコバー(DeNA)、ロドリゲス(中日)などが見事な成績を残しているが、ここまで外国人選手が苦戦することも珍しいだろう。
また、ここで名前があがった選手はほとんどが来日から年数が経っており、新外国人はマクブルームとオグレディだけ。そしてこの新外国人がなかなか活躍できない傾向はコロナ禍となった2020年から非常に強くなっているのだ。まず2020年に来日した選手で現在も戦力となっているのは先述したロドリゲス(中日)以外ではガンケル(阪神)とオースティン(DeNA)くらいしか見当たらない。
この年はメジャー通算1939安打を誇るジョーンズ(オリックス)を筆頭にパーラ(巨人)、ボーア(阪神)、エスコバー(ヤクルト)、ムーア(ソフトバンク)といった実績のある選手が多く来日したが、揃って主力として十分な成績を残すことはできなかった。ジョーンズは2月のキャンプではさすがという動きを見せていたが、開幕が遅れたことで明らかに体重が増え、そのことが後々まで響いた印象だ。
さらに厳しかったのが昨年来日した新外国人選手たちだ。巨人で大きな期待を受けたテームズは一軍デビュー戦でアキレス腱を断裂してそのまま退団。もう1人のスモークもそれなりの成績を残していたが、慣れない日本での単身生活によるストレスでわずか34試合の出場で帰国となっている。