私たちは外から受ける情報の80パーセント以上を視覚、つまり目から得ているといわれます。一方で、「目は口ほどにものを言う」といわれるように、その人の感情や意思が現れ、人の印象を左右するのも目。そんな大切な目を、あなたはいたわっていますか? 目は体の中では小さな器官ですが、ひとたび不調が起これば、日常生活への影響は想像以上に大きいものです。 現代人に起こりやすい目のトラブルやその原因を理解し、目の健康を気遣う習慣を始めましょう。今回は、いりたに内科クリニック院長の入谷栄一先生に、目の健康を保つためのコツについてお聞きしました。本記事は、日本メディカルハーブ協会HPの記事を一部改変してお届けします。
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■疲れ目、かすみ目を見過ごさない!目の健康を見直そう
最近は、疲れ目やかすみ目、乾き目など目の不快症状に悩む人が増えています。中には自覚がないまま、目に大きな負担をかけているケースもあるので要注意。いつまでも快適な毎日を送っていくためにも、目の健康を見直してみましょう。
■目はとってもデリケート やさしくいたわる生活を
物が見える仕組みは、カメラに似ています。 目の中に光が入ってきて、網膜で像を結び、その光信号が視神経を介して最終的に脳に伝えられることで、私たちは物の形や色を判別することができるのです。
生物が生きていく上では、周辺環境の情報をいかに早く的確にキャッチするかが大きな意味をもちます。そのために視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚の5つの感覚が備わる中で、視覚から得ている情報の割合は圧倒的に大きく、目は私たちにとって非常に大切な感覚器といえます。
近年はパソコン、スマホなど目を介したコミュニケーション手段が多用されるようになり、視覚の重要性がますます高まっています。しかしそれと同時に目への負担が増し、目の疲れや乾きなどの不快症状に悩まされる人が増えているのが現状です。また、目の不調や病気は加齢によって現れるものもたいへん多く、50歳以上の人のほとんどが何らかの目のトラブルを抱えているという報告もあるほどです。
目はデリケートで不調が起こりやすい器官であり、少しでもトラブルがあれば、QOL(生活の質)に大きく影響します。さらに、目の健康は全身の健康や心の健康にも密接にかかわっているため、日頃から目の健康を気遣っていくことは、心身の健康を保つための重要なポイントの1つともいえます。