同じく、柏の万能型FWアンジェロッティも首脳陣およびサポーターの期待に応えられず。昨年1月にオルンガと入れ替わる形でチームに加入した昨季もリーグ戦出場10試合(スタメン4試合)で無得点だったが、今季もここまでリーグ戦出場13試合(スタメン1試合)で無得点。下部組織から多くの若手が台頭する中、日本に馴染めないブラジル人の居場所はない。

 また、広島在籍4年目のブラジル人FWドウグラス・ヴィエイラも、今季はリーグ戦出場9試合(スタメン1試合)のみ。少ない出番の中で3得点を挙げているが、唯一のスタメンだった9月10日の川崎戦は0対4の惨敗と印象は良くない。今季新加入のベン・カリファが能力の高さを見せており、序列は低い。

 能力的には申し分なくても退団危機と直面しているのが、名古屋のポーランド人FWシュヴィルツォクだ。強さと巧さを高次元で兼ね備えた点取り屋。昨年7月に来日し、昨季はリーグで14試合に出場(スタメン9試合)して7得点をマーク。ACLでもゴールを決め、ルヴァン杯優勝にも貢献し、新エースとして信頼を掴んでいた。しかし、昨年10月のACL・浦項戦後のドーピング検査で陽性と判定され、以降は暫定的な活動禁止状態が続いている。クラブとは2024年1月まで契約を結んでいるというが、正式な処分内容が発表されて来季も試合に出られなくなれば、高額な年俸を考えても契約解除となる可能性は高い。

 すでに今夏、神戸の元U-20ブラジル代表FWリンコンは期限付き移籍ながら母国に戻り、FC東京の元ブラジル代表DFブルーノ・ウヴィニは契約解除となった。彼ら同様にここまで期待に応えられていない助っ人たちにとっては、最終節までの約2カ月間はチームの勝利とともに自身の来季契約をかけた戦いにもある。果たして、生き残れるか。ここからの“逆転残留”に期待したい。(文・三和直樹)