昨年6月には右足首の痛みを感じていたという紀平だが、診断の確定には時間がかかり、その間も練習を続けていたことを明らかにしている。オリンピックシーズンを前にして練習を休むことは、それまで常に自らを追い込んできた紀平には難しかったのかもしれない。
今年の8月26日、紀平はインスタグラムのストーリーに昨年と現在の MRI画像を投稿し、右足首の順調な回復を報告している。そこに至るまでの1カ月、足首の負担を考慮して動きすぎないよう我慢していたのだという。昨季の苦しい経験から学んだ紀平は、無理しない勇気を手に入れたのだ。
紀平の復帰戦は、9月23日から始まる中部選手権となる。10月8日に出場を予定しているジャパンオープンは、さいたまスーパーアリーナで行われる。そしてさいたまスーパーアリーナは、今季を締めくくる世界選手権の会場でもある。今季こそ、さいたまスーパーアリーナで輝きを放つ紀平の姿が見られることを願ってやまない。(文・沢田聡子)
●沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」
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