新学期が始まってまもなく1カ月。楽しかった夏休みを懐かしく感じている家族も多いのではないか。宿題の追い込みも終わってしまえばいい思い出だが、「来年の夏休み、あれだけは何とかしたい!」という苦い思い出になりがちなのが「読書感想文」だ。
ベネッセコーポレーションの通信教育講座「進研ゼミ小学講座」が、2021年7月に小学3~6年生の会員を対象に行った夏休みに関する意識調査(8195人が回答)によれば、「一番大変な夏休みの宿題」の1位が「読書感想文」で27%。2位「自由研究・工作」の19%、3位「計算などの算数の問題」の17%を大きく引き離し、おおよそ3人に1人の子どもが読書感想文に苦労していることがわかる。
「読書感想文に何を書けばいいのか分からない」という子どもたちの声もよく聞くが、実は、読書感想文には書くべきことと書く順番がある。だから、原稿用紙に向かって書き始める前に必ず、設計図を作ること。児童文学評論家・赤木かん子さんが監修した『12歳までに身につけたい かしこくなる読書の超きほん』(朝日新聞出版)から、その設計図の作り方を紹介したい。これに従って進めれば、「おもしろかったです」だけに終わらない読書感想文が、サラサラ(とまではいかないかもしれないが)書けるようになる。
設計図に必要なのは、
(1)本の題名
(2)その本を選んだ理由
(3)はじめの場面のあらすじや設定
(4)はじめの場面の感想
(5)次の場面のあらすじ
(6)次の場面の感想
(7)自分の体験や暮らしと物語を比べる
(8)読んだあとの心の変化
の8項目だ。
具体的に、作ってみた設計図の例がこちら。
設計図は、丁寧な文章の必要はないし、箇条書きで十分。この例にはないけれど、自分が書こうと思っている場面が何ページなのかページ数をメモしておいたり、該当のページに付箋を貼っておいたりすると、書くときになって「どのページだっけ」と迷うことがない。