9月16日、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が都内で集会を開いた(撮影/米倉昭仁)
9月16日、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が都内で集会を開いた(撮影/米倉昭仁)
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 9月16日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による被害の救済と根絶に取り組んできた全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が東京都内で集会を開催し、問題解決に向けた声明を発表した。旧統一教会に家庭を破壊され、恨みを募らせた山上徹也容疑者が安倍晋三元首相を射殺してから2カ月以上が経過。オンラインを含めた集会には弁護士や牧師、僧侶、報道関係者のほか、約20人の国会議員が参加した。声明には教団への解散請求を含めたさまざまな対策が盛り込まれたが、課題も浮き彫りになった。

【写真】430万円で信者に売っていた「天聖経」

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「旧統一教会の解散を実現しなければならない。それが無理であれば、教団の活動を規制するガイドラインをつくって政令で明示するなど、実現可能な何らかの結果を出さなければならない。そのためには今の状況のなかでできることを最大限にやる。今日集まった弁護士は全員、同じ気持ちだと思います」

 こう語ったのは全国弁連の代表世話人である山口広弁護士。ときに声を荒らげながら、「時間的な余裕はない」と、焦りをにじませた。

 世間では旧統一教会に対する強い批判の声が上がっている。だが、世論は移ろいやすい。30年前もそうだった。

“嵐”が過ぎ去るのを待っている

 1992年、韓国で行われた統一教会の合同結婚式に桜田淳子らが参加したことが大きな話題となった。しかし、高額な献金や信教の自由の侵害など、問題の本質に目が向けられることはほとんどなく、以後、「空白の30年」が続いた。

「旧統一教会は今、ひたすら身をかがめて嵐が過ぎ去るのを待っていますよ。教団とつながりの深い自民党もそうでしょう。残念ながら、今回の騒ぎも30年前と同様に半年もすれば終わると思います。そうしたらまた元に戻る。私たちの活動は焼け石に水ですよ」

 脱会信者らの支援活動を続けてきた竹迫之(たけさこ・いたる)牧師は、以前の取材で、そう苦々しく語っていた。

430万円で売っていた「天聖経」。全国弁連が開示した(撮影/米倉昭仁)
430万円で売っていた「天聖経」。全国弁連が開示した(撮影/米倉昭仁)

 いまも「彼ら(旧統一教会信者)との関係を悪化させたくない」と、筆者に語る議員もいる。旧統一教会と一部政治家は持ちつ持たれつの便利な存在なのだ。

解散請求に不可欠な調査

 宗教法人法では、法令に違反し、著しく公共の福祉を害する行為などがあった場合、裁判所は所轄庁などの請求を受け、解散を命令できる。

 全国弁連はこの解散請求を旧統一教会対策の本丸と位置づける。

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