「成績がいいだけで、地方の医学部を受験しにくる子がけっこういるんだよ」。受験をテーマにしたマンガ『ドラゴン桜』でもおなじみの作者・三田紀房さんは、そんな友人の医学部教授の言葉をきっかけにマンガ『Dr. Eggs』(「グランドジャンプ」で連載中)を描き始めた。とくに医師になりたいわけではないが、担任の先生に勧められるまま地方の国立大学の医学部へ入った主人公の医大生ライフを描く。好評発売中の週刊朝日ムック『医学部に入る2023』では、作者・三田紀房さんに制作の裏話を聞きました。
【マンガ】担任に勧められるままに医学部受験を決めた主人公・円千森くん
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とくに医師になりたいわけではないが、担任の先生に勧められるまま地方の国立大学の医学部へ。
そんな主人公・円千森くんの医大生ライフを描いたマンガ『ドクターエッグス』には、医大生ならではの喜びや葛藤がたっぷりと詰まっている。医学部を目指す人なら、ぜひ読んでおきたい作品だ。
■成績がいいだけで医学部を選ぶ?
「医療系マンガを描こうと思ったときに、医学部の教授をしている友人が、『成績がいいだけで、地方の医学部を受験しにくる子がけっこういるんだよ』と話していたことを思い出したんです。実際に医師になるかは置いておいて、勉強が得意だから、とりあえず安定の医師免許を取っておこうという考え方。医学部って医師になりたい人が行くところだと思っていたので、少し意外に感じました」
そう話すのは、受験をテーマにしたマンガ『ドラゴン桜』でもおなじみの作者・三田紀房さんだ。
■医師になるためには何を学ぶのか
改めて友人のところに取材に行くと、医学部ならではの面白い話がわんさか出てきたという。
「例えば、地方の医学部に入ったら、勉強よりもまずは一人ぼっちにならないことが大事なんだそうです。サークルなどに属して周囲と会話を交わして、大学という場に溶け込むことが第一。そうしないと学びが充実していかないし、医師は人と関わって成り立つ仕事だから、人間関係を構築できる力が重要なんだそうです」