阪神の来季の新監督に、球団OBで2004~08年に監督を務めた岡田彰布氏が内定したことがスポーツ紙で報じられた。阪神への復帰が決定すれば15年ぶりとなる。在阪のスポーツ紙記者は舞台裏を明かす。
「矢野燿大監督が今季限りでの退任を2月の春季キャンプ前日に表明してから、元中日監督の落合博満氏など色々な指導者の名前がメディアで報じられた。チームを熟知している平田勝男2軍監督の昇格案もあったが、球団フロントは岡田さんの手腕を高く評価しているようだ。次期監督を育成するという意味でも適任でしょう。岡田さんを慕っている鳥谷敬氏、藤川球児氏、今岡真訪氏らが入閣する可能性も考えられる。彼らがユニフォームを着て帝王学を学ぶことで、後任を託せる」
岡田氏は前回の監督就任1年目の04年に当時ルーキーだった鳥谷を積極的に起用。投手陣も分業制を確立し、藤川、ジェフ・ウィリアムズ、久保田智之の3人で形成する「JFK」で逃げ切るスタイルを確立し、05年にリーグ優勝を飾った。阪神では5シーズンで4度のAクラス入りを飾り、オリックスで10~12年と3年間監督を務めた。現場復帰は10年ぶりとなる。野球評論家としてバックネット裏から見続け、当時と考え方の変化もあるだろう。
在阪のスポーツ紙デスクは「チームがガラッと変わる可能性がある」と指摘する。
「岡田さんはJFKを確立するなど時代を先取った考え方で、将来性豊かな若手を積極的に使う。一方で隙を見せるプレーを許さず、手堅い野球をするイメージがある。例えば、矢野監督は佐藤輝明、大山悠輔ら主力選手の守備位置をコロコロ変えていましたが、岡田さんは守備力強化、強打者を打撃に集中させる観点から1つのポジションで固定するでしょう。選手を直接叱ることはしないが、コーチには厳しい。良い意味でピリッとした空気になるので、アットホームな今の雰囲気も変わる。本塁打を打った選手の首にかけられる『虎メダル』も廃止になるんじゃないですかね。緻密な野球を突き詰めれば、来季は優勝候補になるでしょう」