現役信者は、

「私は距離を置いて教会と付き合っている。しかし、そうではない人の多くは『安倍元首相は神様(文鮮明氏)に喜ばれるためにやってくれたんだ』『安倍元首相の政治はお父様の、み言(旧統一教会の教義)とよく似ていたのがわかった』などと感心して聞いていました。教会批判が強まるなか、安部元首相の国葬を利用して批判の方向を変えようとしているのではないでしょうか」

 と説明した。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会の加納雄二弁護士は、

「旧統一教会の『み言』が政治と似ているなんて考えられないこと。旧統一教会は組織の防衛のためなら国葬も利用する。記者会見でも、相変わらず霊感商法との関係を否定し、マスコミと弁護士批判ばかり。謝罪するのも、自民党や国会議員に向けてでしょう。山上容疑者の動機は旧統一教会と語っており、被害者に最初に謝罪すべきではなかったのでしょうか」

 と指摘する。

安倍晋三元首相の遺骨を手に式場に到着した妻の昭恵さん(代表撮影)
安倍晋三元首相の遺骨を手に式場に到着した妻の昭恵さん(代表撮影)

 (AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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