サルコイドーシスの皮膚病変は肘や膝など、ぶつけやすい場所に出ることが多く、ケロイド(傷の痕が大きく盛り上がり徐々に拡大していく)のような皮膚病変として見つかります。患者さん本人は、まさか傷の痕がサルコイドーシスによるものとは気が付かず、皮膚科に受診することは少ないのですが、内科の先生がサルコイドーシスを疑った場合は、皮膚に病変がないか診察依頼が来ます。皮膚科でくまなく皮膚病変を探し、疑わしい皮膚病変があれば検査をして確定診断を下します。

■血管内リンパ腫

 熱が続くもののその原因が全くわからず、皮膚科に検査依頼が来ることがあります。血管内リンパ腫という病気は、細い血管の中で腫瘍細胞が増殖する珍しい病気です。進行性に悪化するため、早期に診断し抗がん剤治療が必要な疾患になります。病気の確定診断となるのは、細い血管の中で増えた腫瘍細胞を見つけることですが、ここで検査の対象となるのが皮膚です。

 皮膚には細い血管がたくさんあるため、どこかの血管内には腫瘍細胞を見つけることができるかもしれない。そこで、皮膚を何カ所か米粒くらいの大きさで切って、顕微鏡で血管の中を確認するランダム皮膚生検というのを行います。1カ所の皮膚だけでは、腫瘍細胞を見つけることができず、何カ所も検査をするのが普通です。体のどこかに血管腫という血管の塊があれば、そこから検査をすると腫瘍細胞が見つかりやすいとも言われています。原因不明の熱の精査として、皮膚の検査を行うとは、患者さんにとってはなかなかびっくりすることではないかと思います。

■弾性線維性仮性黄色腫

 とてもめずらしい病気ですが、この疾患も他の臓器に症状が出てから皮膚科に診察を依頼されるケースが多い病気です。弾性線維性仮性黄色腫は弾性繊維が変性する病気ですが、皮膚に異常所見が出現します。初発症状として、眼が見えにくくなったり、視野が欠損した場合、眼科でこの病気が疑われ、皮膚科にコンサルテーション(相談)されることがあります。

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