IVE/日本人のレイをはじめ、ユジン、ガウル、ウォニョン、リズ、イソの6人組。大掛かりなセットで「LOVE DIVE」など3曲を優雅に披露(photo:「2022 MAMA AWARDS」(c) CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved)
IVE/日本人のレイをはじめ、ユジン、ガウル、ウォニョン、リズ、イソの6人組。大掛かりなセットで「LOVE DIVE」など3曲を優雅に披露(photo:「2022 MAMA AWARDS」(c) CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved)

「次に来るヨジャグル(女性グループ)はIVEだとわかった。熱心に頑張る姿に泣けた。爆売れすると思う」

 つまり、こうした音楽授賞式はファンに向けての次期スターのお披露目の場であり、K-POP沼の入り口なのだ。

 今、第4世代と呼ばれるK-POPアイドルグループの勢いが止まらない。第4世代とは、2018年以降にデビューしたグループを指す。

 歴史をさかのぼると、1996年以降の男性グループH.O.T.やgod、神話、女性グループのS.E.S.が第1世代。2000年代半ばに登場した東方神起やBIGBANG、少女時代、Wonder.Girls、そして今回大人っぽくカムバックしたKARAらが第2世代だ。

 第3世代は12年以降にデビューしたEXO、SEVENTEEN、BTS、TWICE、BLACKPINKなど。ここでアジア中心だった市場は、SNSの普及と共に欧米へと一気に拡大。「セクシー」と「パワー」を誇示するMVで、アイドルからアーティストへの脱皮も果たした。

JO1/吉本興業がCJ ENMと合弁会社を創設し、人気オーディション番組「PRODUCE 101」日本版で選抜。11人全員が日本人という構成(photo:「2022 MAMA AWARDS」(c) CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved)
JO1/吉本興業がCJ ENMと合弁会社を創設し、人気オーディション番組「PRODUCE 101」日本版で選抜。11人全員が日本人という構成(photo:「2022 MAMA AWARDS」(c) CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved)

■BTSの次に来るのは

 22年の紅白歌合戦では、K-POPから5組が出演し、日本での彼らの知名度は一気に上がるだろう。さらに23年は、日本でドームツアーが立て続けに開催される。男性グループの人気はBTSが牽引(けんいん)しているが、女性グループはBLACKPINKの存在が大きい。

「あなたの言いなりの操り人形にはならない、私は私の生き方でいく」といった“ガルクラ”系の歌詞が目立つ。ガルクラとは、「ガールクラッシュ」の略語。女性があこがれるようなクールでカッコいい女性を指す。

 世界を席巻したBTSは、12月13日に最年長メンバー、JINが韓国陸軍に入隊。ほかのメンバーも順次入隊の予定で、25年頃に全員そろって活動を再開するまではソロ活動を行うと発表している。今回のMAMAでもJ-HOPEが単独でパフォーマンス。BTSのファンダム“ARMY(アーミー)”にとって、大きな意味を持つ舞台になった。

 J-HOPEは「22年は、BTSが大きな困難や試練を克服しなければならない方法を一生懸命模索した年。私たち自身が幸せでなければ、皆さんに幸せを伝えることができないんだなと思った年でした」と語った。また、J-HOPEがかけた電話の向こうからJINは、「僕たちのARMY、本当にありがとう! (兵役で)皆さんに会えなくなる時間が長くなるけど、頑張って軍隊に行ってきたいと思います」とあいさつをした。

 トップアスリートさながらの厳しい環境下で切磋琢磨するK-POPアイドルグループ。第4世代に加えて第2世代の復活も相次ぎ、熾烈な競争は続く。次は、誘致を推進している2030年の釜山国際博覧会(万博)を射程に、さらなる進化を見せるだろう。(ライター・西元まり)

AERA 2023年1月2-9日合併号

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