34歳に発病し、現在、39歳。今は痛みなどは落ち着いているそうだが、幡野さんは、確実に近い将来その日は来ると思って生きているのだろう。

 先日、bayfmで自分が担当している番組「シン・ラジオ」に、元NHKプロデユーサー・河瀬大作さんからの紹介で、幡野さんに出演していただいた。

 その中で、幡野さんと「がんばって」の言葉について話すときがあった。幡野さんは「がんばって」という言葉をどう思っているのか?

 やはり、「つらい」と言っていた。病気になってから「がんばって」と言われると、しんどくなると。

 がんばってと言われてしんどい人も多いだろうから、なるべく使わないようにしていたけど、幡野さんの言葉を聞くと、やはり「がんばって」という言葉がつらい人は絶対にいるのだ。何げに言っている言葉って怖いのだ。「おはよー」とか「いただきます」みたいな感じで、なんとなく使ってしまうこともある「がんばって」。

 この言葉は時に人を傷つけてしまうこともあるのだと改めて学べたし、何げない言葉こそ気をつけなきゃいけないんだなと思う。言葉は武器。人を守ることもできるが傷つけることもある。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中。

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鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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