ところが、今年はじめから大型スーパーの「Eマート」や「ロッテマート」からは、サントリーウイスキーの角瓶が消えた。販売台が空っぽの時間が1~2カ月続いたから、一時的な品切れとは考えられない。
スーパーと酒類卸売業の関係者に問い合わせると、「韓国の輸入会社がサントリーに発注した数量よりも供給量が少なく、現在韓国に残っているウイスキーの角瓶が不足している」という回答。
21年9月ごろ、韓国内でのサントリーウイスキー角瓶の年間予想販売量はすでに上まわっていたという。
日本国内でも巣ごもり需要でウイスキーの売り上げが増え、原液の不足によって生産量が減ってきていた。ウイスキーは原液熟成までには相当な時間がかかるため、迅速な供給ができなかったのだ。
サントリーは昨年このような問題を解決するため、韓国に対する角瓶の出荷を制限した。それが品薄現象につながったようだ。
やっとのことで輸入した業者は、より高く売れる居酒屋や日本飲食店に優先的に販売。その結果、スーパーではサントリーウイスキーの争奪戦が展開されることになった。
一部の店舗では値段を釣りあげて販売されている。記者も最近、京畿道付近のリカーストアでサントリーウイスキー角瓶を買いたいというと、「予約が必要で、1本4万6千ウォン(約4730円)」といわれた。なかには自分たちが日本から安く買ってきたウイスキーを売る業者も出てきているという。
地元の男性(36)があきれ顔でこう話す。
「3年前までは日本のビールと自動車、ユニクロの不買運動を行い、『NOJAPAN』を叫んでいのに、そこまでしてハイボールを飲まなければならないのか、と情けなくなる」
(現地ジャーナリスト/ノ・ミンハ)