株の場合、どのタイミングで購入するかが非常に難しい。筆者の知人はバブル期に株を購入し、その後30年以上も評価損が続き、売るに売れない「塩漬け」状態になっている。

 投資信託でもいわゆる「高値づかみ」をしてしまう恐れはないのか?

「長期間保有するだけではなく、コツコツと積み立てで買っていくことがミソなんです」

上がっても下がっても買う

 最近の相場は大荒れで、多くの投資信託も値下がりしている。半面、価格が安いので購入単価を抑えられる好機でもある。つまり、あらかじめ決めておいた金額で買い続ければ、価格が高いときは少なく買い、安いときは多く買える。これによって平均的な購入単価を下げられる。

 さらに保有する投資信託の運用益を再投資することで利益が増幅していく効果「複利」の仕組みも利用する。毛呂さんも「この複利でどんどん増やしていく」と言うように、重要なポイントだ。つみたてNISAではほとんどの場合、運用益は自動的に元本に組み入れられて再投資される。

 あらかじめ、買い付けのタイミング(毎月など)や、分配金の元本への繰り入れを設定しておけば、あとは証券会社がやってくれるので、手間がかからない。

「一度方針を決めてしまえば、ある意味、何も考えなくても投資を続けられるのでとても楽です。で、あとは放っておく。評価額が上がっても下がっても気にしない。それがコツです」

 しかし、購入した商品の価格が下がれば心配になるのがふつうだろう。

「短期間の運用では元本割れしてしまうことは珍しくありません。でも、長期間積み立て投資をすることでその可能性は低くなります」

 金融庁の資料によると、20年間この方法で運用した成果がマイナスになる可能性は非常に低い。

 売却する際はどうすればよいのか?

「老後資金を使うなど、お金が必要なときに運用しながら少しずつ解約して現金化していくのがいいと思います」

悪い商品を買う恐れは?

 投資信託にもさまざまな種類があるが、大きく分けて「パッシブファンド」「アクティブファンド」の2つがある。

「パッシブファンドは日経平均とか市場の値動きを示す指数(インデックス)に連動することを目指す商品です。なので『インデックスファンド』と呼ばれることが一般的です。仕組みがわかりやすく、開発コストが抑えられるので信託報酬(手数料)率が非常に低いのが特徴です」

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