BTSのメンバー(GettyImages)
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 韓国の男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」のグループ最年長メンバーであるJIN(29)が、兵役の義務を履行するための準備に着手したことを所属事務所が発表した。

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「BTS」メンバーの兵役を巡っては、2020年の冬、大衆芸術の優秀者に限り28歳までとされる兵役の期限を30歳になる年の年末まで延長できるように「兵役法」が改正され、韓国国内では“BTS法”と呼ばれ賛否両論が上がっていた。

 そうした中、前述の“BTS法”により今年12月に兵役での入隊期限を迎えるJINが義務を履行するための準備に着手したこと、今後は他のメンバーも順次兵役を履行する予定であることが明らかになった。

 韓国において「兵役」は18歳以上の男性国民の義務の一つとなっており、芸能人も例外ではない。

「兵役法」では「五輪3位以上の入賞者」、「アジア大会1位の入賞者」、「国際芸術コンクール2位以上の入賞者」、「国内芸術コンクール1位の入賞者」など一部の国威発揚に寄与した「芸術・体育要員」については兵役免除の対象になるとされるが、いわゆる“大衆文化”の芸術者は対象外となっている。

 そのため、過去には「東方神起」や「BIGBANG」など日本でも人気の男性グループのメンバーも一時的に芸能活動をストップし、兵役義務を履行してきた。

 韓国の芸能事情に詳しいイベント企画会社のスタッフはこう語る。

「アーティスト本人や関係者も、本音を言えば兵役をスルーして芸能活動を継続したいのが本音でしょう。男性アーティストにとって兵役義務の対象期間はアーティスト活動で大切な時期と重なりますし、なぜ自分たちの活動が“大衆文化”というくくりで、スポーツや芸術よりも下に見られるんだという忸怩たる思いもあるはずです」

 だが一方で、人気アーティストといえども自国の兵役義務に対してあからさまに批判や不満を口にすることははばかられる雰囲気もあるという。

「そもそも、大半の国民ができれば兵役義務を避けたいと思っており、堂々と批判や不満を口にすれば『自分たちだけ特別扱いしろということか!』、『人気アーティストだからといって傲慢(ごうまん)すぎる!』などの炎上にもつながりかねません。実際、過去にはトップスターでありながら米国へ渡り、韓国籍を放棄して米国籍を取得したことで“兵役逃れ”の疑惑が浮上して大バッシングを浴び、20年近くも入国できなかった歌手のユ・スンジュンなどの例もあります」(同)

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韓国で芸能人が“低く”見られてしまう理由