放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、フジテレビのドラマ「silent」について。
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フジテレビのドラマ「silent」が久々のテレビドラマのビッグヒットになりそうだ。
木10と言われる木曜22時の枠で放送しているドラマ。僕がこの原稿を書いている時点では2話まで放送。放送直後にTwitterのトレンド世界一になったり、Tverでの見逃し配信がとんでもない数字になっていると聞き、なんだか、今、このテレビの状態で、一つの大きなフラッグを立てそうな気がしたので、1&2話まとめて視聴。
あらすじをざっと言うと、川口春奈さん演じる青羽紬(あおばつむぎ)と、Snow Manの目黒蓮さん演じる佐倉想(さくらそう)は高校時代、付き合っていた。ザ・青春な恋愛をしていたのだったが、卒業後まもなく、紬は想からLINEで好きな人がいることを伝えられ、別れを告げられた。そして姿を消してしまう。そこから8年後。紬は想のことを忘れるために、高校の同級生で、鈴鹿央士演じる戸川湊斗(とがわみなと)と付き合っていたのだが……。
第1話の最後で、想とたまたま駅で逢ってしまった紬だったのだが……。想は耳が聞こえなくなっていた。「若年発症型両側性感音難聴」という病気になり、次第に聴力がなくなっていくかもと言われ、紬を悲しませたくない思いで別れたのだ……。
というあらすじです。
このドラマ、暗くなり過ぎず、美しく、前向きに描かれている。
職場周りの女性たちが「泣いた」と連呼し、Twitterにもその言葉が乱れ飛ぶ。Tverの数字も含めてなんだか異常な空気なんですよね。
最近の配信ドラマも含めて、非常にハイテンポで進んでいくドラマが多い中、ゆったりと進んでいく。まず、川口春奈さん演じる紬のキャラクターがけなげで本当に応援したくなる。