3年連続でリモートという形で10月20日に開催された2022年のドラフト会議。目玉候補が不在という中で9球団が事前に1位指名を公表するという異例のドラフトとなったが、支配下選手が69人、育成選手が57人の合計126人が指名された。果たしてチームの将来に適した指名をすることができた球団はどこだったのか、採点してみたいと思う。今回はパ・リーグ編だ。
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■オリックス:90点
1位で大学生ナンバーワンサウスポーの曽谷龍平(白鴎大)の単独指名に成功。変化球が少ないためまずはリリーフの方が戦力になりそうだが、2年後、3年後には先発の柱としても期待できるだけのスケールがある。2位では一転して高校生スラッガーの内藤鵬(日本航空石川)を指名。バッティングに関しては高校生でも1、2を争う存在であり、将来の中軸候補として期待できる選手だ。この2人を指名できただけでかなりの高得点をつけられるだろう。さらに3位以降でも投手は将来性の高い高校生を2人(齋藤響介/3位、日高暖己/5位)、野手は大学生の実力者である杉沢龍(東北福祉大/4位)を指名。山本由伸と吉田正尚がメジャーなどに流出した時に備える狙いが感じられる。育成の投手3人(西浜勇星、才木海翔、入山海斗)も楽しみな本格派で、全体的に納得できる指名となった。
■西武:80点
早々に蛭間拓哉(早稲田大)の1位指名を公表。単独指名に成功すると、2位では高校生の大型外野手である古川雄大(佐伯鶴城)を指名し、巨人と同様に外野手2人が上位を占める結果となったが、現在のチーム事情を考えるとよく理解できる。蛭間は打撃の形が良く、プロのボールに慣れれば早くから戦力となることも期待でき、古川のスケールの大きさは高校生野手でも屈指だ。ともに脚力があるというのも魅力である。森友哉がFAで移籍する可能性のある捕手も高校生で上位の力を持つ野田海人(九州国際大付/3位)を指名し、手薄な二遊間には社会人屈指の守備力を誇る児玉亮涼(大阪ガス/6位)と野手は的確な補強ができた印象だ。投手の2人もスケール型の青山美夏人(亜細亜大/4位)と実戦タイプの山田陽翔(近江/5位)と狙いが分かりやすい。着実に底上げに成功した印象を受けた。