スポーツ紙デスクは、こう語る。

「岡田さんの認識に驚きはありません。球界の盟主と呼ばれた巨人は戦力を見ても過渡期で怖い存在ではない。来年も厳しい戦いが強いられるでしょう。一方でヤクルトは黄金時代を築く雰囲気が漂う。今年は先発ローテーションで期待された奥川恭伸が1試合登板に終わり、2ケタ勝利を挙げた投手が2年連続で1人もいなかった。それでも首位を独走したのは、高津監督のマネジメント能力が高く、選手たちが試合の局面で勝負所を熟知しているから。年齢構成を見ても村上宗隆、長岡秀樹、奥川、高橋奎二を筆頭に伸び盛りの若手が多く、これからさらに強くなる可能性を秘めている。各球団は打倒・ヤクルトを果たさなければリーグ優勝は成し得ません」

 岡田監督の一次政権では、巨人・原辰徳監督と中日・落合博満監督の三つどもえの戦いで、この3球団が優勝する時代が続いた。月日が経ち、セ・リーグの勢力図は当時と変わっている。岡田監督はチーム再建を託され、原監督は球団史上最長の17年目の指揮を振るう。共に64歳となったが、勝負師としての情熱は健在だ。来季は巨人と阪神がリーグの覇権を争い、「伝統の一戦」のボルテージが高まることを期待したい。(梅宮昌宗)