(撮影/上田泰世・写真映像部)
(撮影/上田泰世・写真映像部)

―幼児期はまだまだ気持ちのコントロールが難しい時期だと思います。息子さんのモチベーション維持のために工夫していたことはありますか。

 親として頭の使いどころでした。線の通りに紙をちぎって形を作るという手先を鍛える練習があるのですが、問題は私が手作りしていました。形のなかに息子の好きそうな絵を描いて、楽しんで取り組めるようにと。毎朝、絵の練習もしたのですが、息子が飽きないよう、私も隣で描くようにしていました。そして子どもの目線になって、「いいぞ!」と息子の絵を面白がることを心がけていました。海好きの息子は、潮の満ち引きをはっきりと感じられる広島の厳島神社に興味を持ったので、何度か遊びに行き、印象を深めました。心が動いたことは、絵のモチーフになるんです。

―どの家庭も頭を悩ますといわれる願書作成はどうでしたか。

 前もって家庭で大切にしていることを整理しておくことが大切で、なかなか苦しい作業でしたが妻と頑張りました。学校説明会に行ったり、参考本を読んだりして、学校への理解も深めました。出願前は私もそうでしたが、まわりのママたちも徹夜で取り組んでいました。ネット出願も増えていますが、手書きの願書は、書き損じの予備に数枚入手していました。仕上げた願書を妻に見せると、「字が汚い!」と書き直しを求められたりして、予備分が役立ったわけなのですが……大変でした。

―直前期はどう過ごされましたか。

 息子のスイッチが入らないときは、あえて簡単な問題をやって「すごいぞ!」と声をかけていました。もともとパズルが好きだったので、図形問題などは自分からやりたがることもあります。回転図や反転図など大人でも詰まる難問もあって、妻のほうがギブアップしてしまい、妻を励ましたりすることもありました。

 ただ、瞬きが多くなるチック症状が出てしまったんです。取り組ませる量が多く、「気づかないうちに無理をさせてしまったのでは」と、すぐに妻と話し合いをして、1週間ほど受験対策から離れてゆっくり過ごすようにしました。すると、いつの間にか症状も消えました。それからは、詰め込まず、余裕をもたせて本番に臨むようにしました。

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面接試験での息子のひと言