(撮影/上田泰世・写真映像部)
(撮影/上田泰世・写真映像部)

―仕事との両立、さらに共働きという環境で、大変ではなかったですか。

 息子を寝かしつけた後に仕事に出たり、受験直前期にはやむなく仕事をセーブしたりすることもありました。共働きなので、育児には家事も含まれます。受験はどうしてもピリピリしますから、私が家事をする分、「妻の負担が軽くなれば」という思いもありました。幼稚園2年間のお弁当作りも、私が担当しました。週末におかずをたくさん作ってストックしておいて、だいぶ手際もよくなって楽しくやっていましたね。小学生になった今はお弁当がないので、とても良い思い出です。

―受験対策の教室通いはどうでしたか。

 ママ友に薦められた教室に通いました。送迎だけでなく、親の参観も必須だったので、スケジュール管理を徹底していました。妻と私とどちらが行くかをきっちり決めておかないと、共働きはもめますから。たとえば2時間のうち前半を妻、後半を私、とやりくりするときもありました。結果的に、妻より多く行ったように思います。母親の参加が一般的なので、父親はポツンと私一人。最初は気まずい空気感が漂っていたように感じましたが、同じ目標を持った親同士、次第に会話が増えて、いつの間にかママたちの輪に入り込んでいました。

―試験内容は学校によってもさまざまで、対策が肝心だと聞きます。

 いくつか志望校を検討していたので、まんべんなく対策をする必要がありました。登園前の朝時間は私、夜時間は妻が担当。漏れがないよう、きっちりとタスク管理をしていました。できると思っていた分野が急にできなくなったり、さっき注意したことをもう忘れていたり。毎日コツコツとひたすらやり続けるのみで、親はどこまで向き合えるか。「親の受験」と言われる理由の一つだと思います。

―「タスク管理」は、具体的にどうされたのですか。

 手書きの表を作りました。横軸には日付、縦軸には取り組むこと。図形や数、常識、記憶といった問題の分野からボール、片足立ちといった運動の種類まで細かく分けて書きます。そして、やったらチェックをつけます。チェックの数で偏りがないかを「見える化」して、計画を立てます。頑張ったことや練習が必要なことを記録する成長日記もつけていました。ときには仕事が終わった真夜中に眠気と闘いながら、翌朝息子とやるペーパーや道具を準備することもありました。

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