パ・リーグの投手でアピールしたのが2年目の内間拓馬(楽天)だ。ここまでの2年間は二軍でも目立った成績を残していないが、ストレートは大学時代よりも明らかにスピードアップしており、今年唯一の一軍登板となった9月30日のソフトバンク戦でも最速154キロをマーク。フェニックスリーグでは最初に先発した2試合では11回を無失点、12奪三振と結果を残して見せた。課題だったコントロールも3四死球と安定していたのも大きなプラス要因だ。3試合目の先発となった10月22日の広島戦は5回途中6失点と崩れ、まだ不安定な部分はあるものの、チームの投手陣はベテラン中心だけに、来年はローテーション争いに加わることも期待したい。

 野手で圧倒的な存在感を見せたのが中日ドラフト2位ルーキー鵜飼航丞だ。レギュラーシーズンでは一軍で59試合に出場したものの打率.206、4本塁打、16打点とプロの壁に苦しんだが、フェニックスリーグでは12球団でトップタイとなる6本塁打をマーク。特に10月27日の楽天戦で放ったホームランは軽々とフェンスを越えて場外まで届く特大の一発で、改めてそのパワーを見せつけた。最後は太ももを痛めてチームを離脱したのは気がかりだが、長打力不足に苦しむチームにあってその存在は大きな希望であることは間違いない。オフには1年間しっかり戦えるだけの体力をつけて、来年はシーズンを通しての一軍定着を目指してもらいたい。

 岡田彰布新監督が就任した阪神でアピールしたのが4年目の小幡竜平だ。10月21日の楽天戦では5打数5安打の固め打ちでサイクルヒットを達成。その後もヒットを量産し、不足していた長打力も確実にアップしている印象を受ける。元々高い守備力には定評があり、二軍では46試合で15盗塁をマークしているようにスピードがあるのも魅力だ。岡田監督からもショートでの起用を示唆する発言が出ており、5年目の来年は一気にレギュラー定着を目指したい。

次のページ
パ・リーグで目立った野手2人