米国の人気ビジネス書著者のマルコム・グラッドウェルの著書『天才! 成功する人々の法則』には、「1万時間の法則」という言葉が出てきます。モーツァルトやビル・ゲイツなどを例に挙げ、成功するには1万時間以上の多大な時間をつかい、努力を重ねる必要があるという主張をしています。
本の中では、フロリダ州立大学の心理学者・エリクソン教授の調査が注目されています。音楽アカデミーで国際的に活躍するバイオリンの生徒とそれ以外の生徒で、バイオリンを始めてからの練習時間について調べてみると、前者は約7300時間、後者は5300時間だったというものです。この結果から、ある分野で実力があるとされている人は、その分野に対して使ってきた時間の量が圧倒的に多いことが導き出されました。
■能力を伸ばすには、時間をかけて頑張ることも必要
つまり、「自分はできない」と早々にあきらめて時間を使うのをやめるのではなく、できないからこそ「時間を使ってできるようにしよう」という考え方のほうが、理にかなっているわけです。
私は、学生時代かなりの運動音痴でしたが、息子には「ママはすごく走るのが速かったんだよね」「泳ぐのも上手だったんだよね」と話しています。我ながらうそつきだなぁ、とは思いますが、それで息子が「じゃあ自分もできるんだ」と思って苦手な運動を頑張ってくれるなら、それでいいと考えています。
能力を伸ばすために「自分ならできる」と信じ、時間をかけて頑張ることで、本当にできるようになっていくのだと思います。