「渡米後に投球スタイルが変化した。腕の位置を下げ力感の少ない投球フォームからボールを動かすようになった。剛速球投手のイメージが一新され、スライダーやフォークが投球の柱となった。以前のような抜け球が減り、制球力が高まったことで大崩れも少なくなった。試合を作ることができるので興味を持つ球団は多いのはないか」(巨人担当記者)

 一方の金子は2004年にトヨタ自動車からドラフト自由枠でオリックスに入団し、2008年からは4年連続で二桁勝利をマークするなどエースとして活躍。最多勝を2度(2010、2014年)、最優秀防御率を1度(2014年)、最多奪三振を1度(2013年)獲得し、2014年には沢村賞とリーグMVPに輝いた。

 その後は成績が下降しながらもローテーションの一角を担っていたが、4勝7敗に終わった2018年のオフにオリックスから自由契約となり、同年のオフに日本ハムに移籍。日本ハムでは1年目の2019年は8勝(7敗)をマークするなど見せ場もつくったが、翌年以降は振るわず。今オフにコーチ就任の打診を受けるも、現役続行を希望したため自由契約となった。

「今季は新庄剛志監督の若返り策もあり登板機会に恵まれなかった。しかし二軍戦とはいえ7勝を挙げるなど良い投球も見せている。球威は全盛期とは程遠いが、制球力と変化球のキレは健在。先発4、5番手なら十分に戦力として計算できる。野球への情熱、真摯な姿勢も周囲にも好影響を及ぼすはず」(日本ハム担当記者)

 2人はともに本格派として所属チームのエースとして活躍し、ベテランになってからは投球スタイルを変えるなど柔軟性を持っていることが共通している。今後も体が衰えていく中でも対応力を生かして活躍できるという評価もある。

「山口は全部の球を動かすので打者が捉えにくい。投球フォームの中で強弱をつけてタイミングを外せるようにもなった。金子は多彩な球種を使うことで球数を減らすことが本当にうまい。制球力の高さは相変わらずでボール球もうまく使える。2人とも、熟練度は高まっている」(在京球団編成担当)

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来季も2人の投球を見られるのか?