「このドラマにスーパーウーマン、天才、お金持ちは出てこない。特別な才能を持っている人もいないから身近に感じるのかもしれません。登場人物の共通点は全員優しくて、喜怒哀楽の怒がないこと。自分への怒りはあるけど、周りにその矛先を向けることがない。他人の気持ちに思いを巡らせることができるから、自分の生き方に悩んで葛藤する。最近の若者は恋愛、結婚しないというデータが出ていますが、恋愛に興味がないわけではないと思います。どの世代も人を好きになる気持ちは複雑です。LoveとLikeの2つで簡単に割り切れるものではない。最近はYouTubeの倍速視聴や、違う作業をしながらテレビを見る『ながら視聴』が増えていることを意識した作品が増えているが、サイレントは登場人物たちが端的なやりとりでなく、ものすごく丁寧に自然な形で言葉を伝えている。時代に逆行しているかもしれませんが、このこだわりが視聴者の心をつかんでいるように感じます」。
登場人物全員が幸せになってほしいと願う視聴者は多いだろう。異色のドラマは今後どのようなストーリーが繰り広げられるか楽しみだ。(梅宮昌宗)