岸田内閣が発足してから、1年1カ月。「聞く力」と「新しい資本主義」をアピールして総裁選を勝ち抜いた岸田首相だが、この1年の実績を望月氏はどうみるのか。
「率直に言って、この人は何がやりたいんだろうという印象です。安倍氏や菅氏のような陰湿さはないけれど、本当にやりたいことが見えない。結局、これを成し遂げたいという意志が見えないから、財務省や経産省などからも扱いやすい存在になってしまっています。個々の人事は別として、岸田首相は判断が決して遅いわけではない。就任当初、メディアの予測よりもかなり前倒しで衆院解散を実施したり、安倍氏の国葬開催の判断も早かった。ただ、熟慮なき即断というか、国葬や原発増設など間違った判断も多いと感じます。本当に『聞く力』があるのなら、それを国民の声にもっと傾けて、女性や若者に共感される政策は何かを考えるべきだと思います」
7月の参議院選挙で自民党が勝利を収めた際、岸田首相は「黄金の3年」を手に入れたと言われた。だが、支持率が30%台となった今、政権にそんな楽観はないだろう。はたして、起死回生の秘策はあるか。(AERA dot.編集部・上田耕司)