6月前半は梅雨入りしたものの雨は少なくなりました。6月後半は梅雨前線が本州付近に延び、記録的な大雨となった所もありました。7月は太平洋高気圧が勢力を強め、梅雨前線が北上。大雨に警戒が必要なエリアが変わってきそうです。6月の天候と7月の見通しをまとめました。

◆少雨のち梅雨空 記録的大雨も

6月6日に九州で、7日には四国、中国から関東甲信で一斉に梅雨入りしました。梅雨入りしたものの、6月前半は九州から関東では、しばらく雨の少ない状態が続いていました。日本の上空には北から寒気が流れ込みやすく、梅雨前線がなかなか北上できずに、日本の南の海上に停滞することが多かったためです。沖縄では梅雨の最盛期をむかえ、まとまった雨となる日が多くなりました。北日本では寒気の影響を受けて、度々雨や雷雨に見舞われました。
6月後半には次第に梅雨前線が本州付近まで北上し、九州から関東も梅雨空の日が多くなりました。前線の活動が活発化し、記録的な大雨となった日もありました。20日から21日かけては太平洋側を中心に活発な雨雲がかかりました。和歌山県古座川町では1時間に84.5ミリ、白浜町では1時間に89.5ミリの猛烈な雨が降り、観測史上1位を記録しました。古座川町では降り始めからの雨量が400ミリを超え、6月としては最多となりました。風も強まり、高知県の室戸岬では最大瞬間風速34.2メートルを観測。関東でも雨や風が強まり、傘があおられてしまうほどの荒れた天気となりました。21日には北陸や東北も雨が降り、梅雨入りとなった一方で、沖縄は22日に、奄美は29日に梅雨明けし、一足早く夏本番を迎えています。
29日から30日かけては活発な梅雨前線が西日本付近を北上し、九州北部や中国地方にも活発な雨雲がかかりました。29日夜に長崎県壱岐市で1時間に120ミリの猛烈な雨が降り、24時間雨量は400ミリを超え、観測史上1位の雨量となりました。広島市でも3時間に87.5ミリの雨が降り、観測史上1位の記録となりました。

◆7月はどうなる?

【7月前半】7月に入ると、太平洋高気圧が勢力を強めるでしょう。これまで本州の南岸に停滞していた梅雨前線は北上し、山陰沖から北陸、東北付近に停滞しやすくなりそうです。日本海側でぐずついた天気の日が多くなり、特に北陸や東北で梅雨の最盛期になるでしょう。大雨に注意が必要です。一方、九州から関東甲信の太平洋側は前線の影響を受けにくく、雨の日が少なくなるでしょう。九州南部などを中心に早い梅雨明けになるかもしれません。梅雨明けとはならなくても、雨の降る日は少なく、空梅雨傾向となりそうです。全国的に気温は高く、特に前線の南側に入る九州から関東甲信では真夏の蒸し暑さになるでしょう。熱中症に警戒が必要になりそうです。
【7月後半】後半になると次第に九州から関東甲信は安定した夏空が広がるようになるでしょう。北陸や東北ではまだ梅雨空の日が多く、平年より大幅に早い梅雨明けとはならなそうです。気温は平年並みの所が多く、東北や北海道は平年並みか高いでしょう。この時期は平年並みでも、かなり蒸し暑い時期ですので、引き続き熱中症には警戒が必要です。