なぜ、日本代表は期待された時には苦戦し、逆に前評判が低い時は結果を残すことができるのだろうか……。

「南アフリカ、ロシア大会ではW杯本番前にチームが1度崩壊してしまった。どちらのケースも状況は異なれど、チームとして戦えるような状態ではなかった。そんな中で岡田監督は戦術を180度変更。西野監督は堅実な自身のスタイルを貫いた。周囲が諦めムードの中、両監督が腹を括ったことで進むべき方向がはっきりした。選手、関係者のモチベーションが高まっていくのがわかった」(サッカー協会関係者)

「結果を出し続けることで大きな自信が生まれ、結果が出ないことでパフォーマンスが大きく低下することも多々ある。だが、(結果が出ずにどん底になった時に)腹を括れる選手は、そこから巻き返して結果を出せる可能性が出てくる。これはサッカーだけではなく、どの競技にも当てはまる。特に日本人アスリートには顕著に見られ、ある意味での国民性かもしれない」(アスリートを専門とするメンタルトレーナー)

 スポーツで結果を残すにはメンタル面が非常に重要となるが、日本人選手の場合は“開き直り”そして“腹を括る”ことが好結果に結びつくことも多いという。2010年と2018年、そして今大会初戦のドイツ戦でも、そういった条件がハマったとも考えられる。

 だが、今回のドイツ戦での番狂わせについては、海外のハイレベルな環境でプレーする選手が増え、強豪相手にもメンタルの面で怯まなかったことが、大金星を収められた要因だという指摘もある。

「今の海外組は高い技術力を持っている。また常に高いレベルの選手とプレーする環境にいることもあり、判断力や精神力もアップしている。(試合では)様々な要素が絡んで歯車が狂うことはあるだろうが、立て直すことができれば対等に戦えるというメンタルがある。選手個々も理解しているはず。そういった精神面でのゆとりも生まれている」(アスリートを専門とするメンタルトレーナー)

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メンタルの強さこそ飛躍の要因?