「闇金ウシジマくん」シリーズの犀原茜(さいはらあかね)役が話題となった高橋メアリージュン(35)。その美しい容姿からは想像できない奇声を発し、急にキレて早口でまくしたて、非情な取り立てをするなど、現在放送中の「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」でも変わらぬ怪演ぶりも見せつけている。16歳でモデルとしてデビューし、女優としては朝ドラにも出演した華々しいキャリアとは対照的に、幼少期は経済的に貧しい家庭環境だったことや自らの病気のことなど、プライベートについても明かしてきた。「大きな肩の荷が降りた」と振り返る30歳での節目と、それから手にした自由とは。
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――ドラマ「闇金サイハラさん」が人気です。犀原茜は原作の漫画には登場しない実写版オリジナルのキャラクターですが、特徴ある役をどう演じていますか。
この作品を通して私のことを知ってくれた方がたくさんいて、ありがたいなと思います。2013年に犀原茜を初めて演じた時は、すごく自分とは遠いキャラクターに感じて、演じられるか不安だったんですが、「サイハラは涙の味がするご飯を食べてきたんだよ」という山口雅俊監督の一言でピンときました。自分とつながる部分があると五感で共感できて、それを軸にしていきました。私も悲しみの涙や、それを乗り越えた後の温かい涙を味わったことがあるので。
――ご自身が中学生の時に、家業が倒産して、実際に借金の取り立ての電話がかかってきたこともあると明かしています。
そうですね、闇金が嫌いだったし、トラウマもありました。でも演じることで克服できるんじゃないかという思いもありました。もともと漫画の『闇金ウシジマくん』やドラマ版はすごく好きな作品だったので、自分がそれを演じるとなると最初は難しい部分もありました。
でも犀原茜というキャラクターがとても魅力的で。自分らしく正直に生きているところがかっこいいし、誰にどう見られているかなど1ミリも気にしてなくて、筋が通っている。私は職業的にも、性格的にも人目を気にすることが多いので憧れます。