現在用いられている星座の名前はほとんどがギリシャ神話に由来し、西洋から伝わったものが用いられています。しかし日本でもその星の並び方などから、様々な名前で呼ばれていました。鼓星もその一例です。今頃は時間的にもちょうど見やすい位置に鼓星が見られます。週末は全道的に観察には良い日和となりそうです。昔の人の想像力を想いながら、眺めてみてはいかがでしょう。

オリオン座 和名「鼓星」
オリオン座 和名「鼓星」
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鼓星

冬を代表するオリオン座は明るい星とその形から非常に目立つ星座で、世界各地で様々に呼ばれています。
西洋ではギリシャ神話に出てくるオリオンとして知られていますが、中国では白虎、インドでは鹿、そのほか戦士や聖者、天上で活躍する巨人として見られています。
日本では外側の4つの明るい星が中ほどの3つの星を取り囲んでいる様子が鼓の形に似ていることから、「鼓星」と呼ばれていました。

平家星、源氏星

オリオン座を形作る星にも別名があり、日本では左上に赤く光るベテルギウスを「平家星」、右下に青白く輝くリゲルを「源氏星」と呼んでいる地域があります。
真ん中の三つの星をはさんで対決していると見立てたようで、源平合戦時の平家の赤旗、源氏の白旗をそれぞれ当てはめたといわれています。

三ツ星・親孝行星

ちょうど鼓の真ん中の部分、オリオンの腰の部分に三つ並んでいる星々をそう呼びますが、「親孝行星」と呼ぶ地方もあります。
その由来は、平家星と源氏星をそれぞれ年老いた親にみたて、その両親を真ん中の三ツ星が支えている様子からそう呼んでいるといわれています。
なおこの三つ星は真東から昇り、真西に沈みます。北極星と合わせて方向が分かる目印です。

見ごろは?

北海道付近は今夜は気圧の谷の中で、明日火曜日から金曜日頃までは冬型の気圧配置となります。
しかし土曜日から週明けにかけては広く高気圧に覆われるでしょう。
道北や道央、道南は金曜日頃まで雲が広がりやすく、星空観察にはあいにくの天気となりますが、週末は晴れるでしょう。
一方、道東は、水曜日頃から晴れてお勧めです。
屋外で観察する際は暖かい服装や、また長時間星空散歩をする際は温かい飲み物があるとよいでしょう。
オリオン座は明るい星々で構成されているためとても見つけやすい星座です。
昔の人の想像力を想いながら、眺めてみてはいかがでしょう。

鼓星(2017年2月24日) 撮影:日本気象協会北海道支社 持田 浩
鼓星(2017年2月24日) 撮影:日本気象協会北海道支社 持田 浩