「用事があってたまたま烏魯木斉路に行ったようです。そのとき、急に烏魯木斉路が封鎖された感じでした」
この日は未明にも烏魯木斉路で抗議活動が起きている。他にも北京市内や、前日の江蘇省南京市での学生らによる集会など、それまでに中国の複数の都市で市民らが声を上げていた。
中国政府はこれまで、そうした抗議活動が起きると、欧米など外国人らが企てたとの“論”を展開してきた。今回、拘束されたとみられるZさんの友人は中国人だが、欧米人が拘束されたらしいという話も入ってきたという。
「烏魯木斉路には欧米人が多く住んでいます。当局は警戒したんだと思います」(Zさん)
今回、烏魯木斉路で抗議デモが起きたことについてZさんは、
「火災で犠牲者が出たのがウルムチだったことから、同じ名前の通りであるこの場所での抗議につながったようです」
と話した。
こうした各地での動きを受け、政府は「ゼロコロナ」緩和の動きを見せ始めた。自治体によっては、大規模商業施設の営業再開、ロックダウンや外食禁止の解除などの動きがある。
ただ、北京市などは12月に入っても、多くの警察車両が出て警官を動員するなど、厳戒態勢が続いている。
(下川裕治)