相模鉄道(以下、相鉄)と、東急電鉄が相互に乗り入れする相鉄・東急直通線が2023年3月に開業する。この路線が開業すると、東京メトロ、東京都交通局、埼玉高速鉄道、東武鉄道の車両も直通する見込みで、神奈川、東京、埼玉を結ぶ広大なネットワークが構築される。さらに、新横浜でつながる相鉄・東急直通線は、首都圏の交通網に革命をもたらすだろう。通勤やレジャーなどの利便性について考察してみたい。
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相鉄は神奈川県内を走る路線だ。現在、本線・横浜―海老名間、いずみ野線・二俣川―湘南台間、相鉄新横浜線・羽沢横浜国大―西谷間、旅客輸送を行わない厚木線相模国分信号場―厚木間の4路線のみながら、1990年に大手私鉄の仲間入りを果たした。近年はいずみ野線沿線の再開発を進めている。一方、東急電鉄は渋谷を起点とする東横線、田園都市線が“大黒柱”で、川崎や横浜のベッドタウン化に大きく貢献している。以前は「東京急行電鉄」だったが、現在は商号変更された株式会社東急の子会社「東急電鉄」として再出発している。
ともに相鉄グループ、東急グループとして“全国ブランド”を展開する両社が、相鉄新横浜線・羽沢横浜国大―新横浜間、東急新横浜線・日吉―新横浜間の開業によってつながる。結節点となるのが、日本の大動脈・東海道新幹線の停車駅である新横浜だ。地元では「シンヨコ」の略称で親しまれている。
11月24日、新しい新横浜駅が報道陣に公開された。新横浜に新たな路線が乗り入れるのは、1964年に国鉄(当時)の東海道新幹線と横浜線の駅ができ、1985年に市営地下鉄3号線(現在は関内―湘南台間の1号線とともにブルーラインと呼ばれる)が加わって以来、38年ぶりの新線開業となる。
■東海道新幹線に接続
新線が新横浜を経由することの最大の目玉は、東海道新幹線(JR東海)に接続することだ。両社にとって“悲願の新幹線接続駅”といえよう。