滋賀大学では伝統ある校風に触れ、近くの琵琶湖で気分転換できるところも気に入った。経済学部社会システム学科を選んだのは、社会のあらゆる事象を研究対象にする社会学に興味を持ったからだ。黒石晋教授のゼミでは、「流行はどうやって生まれるのか」など、何にでも疑問を持ち、解明することを学んだ。卒論は「落語の歴史」をテーマに、上方落語と江戸落語の違いについても調べた。
「4年生になって教授に芸人になると報告したら、『難しいと思うけど、君がその道を選ぶなら頑張れ』と言われました」
学業以外では演劇サークルに入り、浦井さんらとコントも演じた。卒業前には大学の講堂でコント公演を成功させている。
卒業と就職氷河期が重なり、就職活動は難航した。
「もうしんどすぎてNSCに入るほうが簡単だったんですけど、就活からの逃げで入るのもどうかと思い、最後までやりました。内定をもらって改めて考えて、それでもやはり芸人になりたかったので、会社に謝ってNSCに行きました」
浦井さんのほうは、京都府の桃山高校から京都工芸繊維大学を目指した。エンジニアに憧れ、機械系の勉強をしたかったからだ。しかしセンター試験の結果は振るわなかった。自宅から通える国公立へという親の希望もあり、滋賀県立大学の工学部機械システム工学科を新たな目標とした。
「2次試験の勉強は全然していなかったんで慌ててやって、後期試験で受かりました。ホッとしましたね。あきらめないでやってよかったと思いました」