コロナ禍で巣ごもりする人が増え、部屋で手軽に飼えそうなペットとして、ウサギの人気が高まっている。その一方で、飼育放棄や飼育崩壊も問題になっており、段ボールに入れられて震えていたり、本来いるはずがない駐車場でポツンとしていたり、赤ちゃんを生み続けて何百匹に増えてしまったりすることも……。2023年の干支は「卯(う)年」で、ウサギを飼おうとする人も増えるかもしれない。その前に、まずはウサギのことをもうちょっと知ってみませんか。
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コロナ禍の巣ごもり需要で、ペットとしてウサギを飼う人が増えている。
ペット保険のアニコム損保によると、保険契約の数はイヌ、ネコに続きウサギが3番目に多い。2014年度は2968匹だったが、20年度は2万1604匹にまで増えたという。19年度は1万5358匹だったので、わずか1年で6千匹も増えた。
それに伴い、悲しいニュースも増えた。
今年9月、滋賀県内で生きているウサギを虫かごに入れて捨てた20代の男女が動物愛護法違反で書類送検された。男女は「言うことを聞かなかった」「世話が大変だった」などと供述したと報じられたが、あまりに身勝手な理由である。
8月には神奈川県内の住宅で、200匹以上ものウサギの多頭飼育崩壊が起きた。
この家の夫婦が20年の夏にペットショップでオスとメスを1匹ずつ購入。その2匹がたった1年で100匹になり、その後も増え続けてしまったという。
こうした事態に、ウサギを愛する人たちが動いた。
福岡市のウサギ専門ペットショップ「九州うさぎCLUB」で働く水上怜奈さんは今年7月、飼えなくなったり捨てられたりしたウサギを保護して里親を探す「福岡市うさぎ愛護センター」を立ち上げた。
「ここ数年、ウサギを飼いたいと希望されるお客さまが増えてきていると感じていました。その一方でコロナ禍が始まったころから、『もう飼えない』『引き取ってほしい』などと相談してくる方が増え、その数は年間で数十件にのぼりました。お店では引き取れないため、行き場がないウサギたちを守る場所を作ろうと、愛護センターを立ち上げました」(水上さん)