テイエムオペラオー
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 今年の競馬もいよいよフィナーレ。すでに多くの名馬たちが引退を表明したように、年末は別れの季節でもある。ただし競馬は去り行く名馬が有終の美を飾れるとは限らない、非情な勝負の世界。今回は一時代を築きながら最後は敗れてしまった名馬たちを紹介する。

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 ベテラン競馬ファンなら「敗戦→引退式」の図式で真っ先に思い出すのは、まず間違いなくタイキシャトルだろう。タイキシャトルと言えばマイルチャンピオンシップ連覇に安田記念の圧勝、そして1998年の仏G1ジャックルマロワ賞をも制した日本競馬史に残る名マイラーにして名スプリンターだった。

 海外G1を含む重賞8連勝を達成したタイキシャトルは、連覇した98年のマイルチャンピオンシップが5馬身差の圧勝だったこともあって引退の予定を延長。当時は12月に行われていたスプリンターズステークスにも出ることになった。余談だが、この予定変更にはJRAの要望があったという説もある。

 経緯はともあれ、タイキシャトルが出るとあってはファンが勝利を確信するのもやむなし。タイキシャトルはスプリンターズステークスでは単勝1.1倍の断トツ人気に推された。しかしレースでは最後の直線で伏兵マイネルラヴとの叩き合いに後れを取り、後方待機から強襲してきたシーキングザパールにも差されての3着に終わった。

 当然のように勝って晴れの引退式に臨むはずだった王者の敗戦。その当日の引退式では微妙な空気が漂っていたのは言うまでもないだろう。ちなみにターフビジョンに映されたタイキシャトルの戦績一覧では最後のスプリンターズSの着順が「1着」になっていた。JRAもタイキシャトル勝利を前提に引退式を用意していたのだろうとうかがわせる凡ミスだった。

 オグリキャップやトウカイテイオーが奇跡の復活を遂げ、シンボリクリスエスやキタサンブラック、ジェンティルドンナ、ディープインパクトやオルフェーヴルらが最後の勝利を挙げた有馬記念も、その裏では多くの名馬たちが人気を集めながらも最後の敗戦を喫している。

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「世紀末覇王」も最後のレースで…