――ただ、 これまで人気タレントが所属事務所から独立したり、移籍すると、地上波テレビから干されることが常でした。事務所の圧力というより制作側の忖度から、平手さんもそうなるのではないかという懸念もあります。

 別に地上波テレビに干されたところで痛くもかゆくもないでしょう。音楽業界は5年ほど前から「サブスク」と呼ばれる定額制の音楽ストリーミングサービスにシフトしている。Apple Music、Spotify、Line Musicなどです。あるいは動画配信ではNetflix、Amazonプライム、ABEMA、YouTubeなどのコンテンツ配信の環境が整っています。『新しい地図』の3人が典型的ですが、ABEMAに月1度確実に露出することをキープして、自分の好きなように活動していくという形が取れている。市場の構造が変わって、芸能人の活動の仕方も変化しています。

――平手さんは中学2年の時、欅坂46のオーディションに合格。2016年にデビューし、連続8曲、センターを務めた。グループ在籍中、初主演映画「響-HIBIKI-」で、「日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。20年1月に欅坂46を脱退してからは20年に「ドラゴン櫻」(TBS系)、今夏には「六本木クラス」などの話題作に出演しました。そんな平手さんに対し、「そこまで才能があるのか」「チヤホヤされすぎ」「自分上げが凄い」などと批判が上がっていますが、彼女の実力をどのように見ていますか。

 彼女の勘違いではなく、相当な才能をお持ちだと思います。私は女優としてよりも、シンガーとしての才能を高く評価しています。平手さんはグループ脱退後、女優としての活動が目立っていましたが、HYBEという事務所の性格から言って、これからはソロの音楽活動が増えていくのではないでしょうか。

――具体的にはどうやっていくと思われますか。

 韓国の音楽の輸出マーケットを見ると、半分くらいは日本なんですね。アメリカやカナダでも、BTSやBLACK PINKの活躍で、マーケットが膨らんではき来ているんですが、ヨーロッパはまだK-POPマーケットは小さいし、いわゆる欧米という見方をしてしまうと、そこはまだハードルが高い。日本を大切にすると同時に、中国にも目が行っていると思います

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秋元康さんの存在は?