ハーバード卒で賢いイメージがあるパトリック・ハーラン(パックン)でも、投資で手痛い失敗をしてしまったことがあります。しかし、失敗することで、とても大切な投資の原則に改めて気づいたと言います。この記事では、いまさら聞けない「お金の基本」から手堅くお金を増やす方法までしっかりカバーして書き上げた初のお金の本『パックン式 お金の育て方』から、一部を抜粋・再編して、「パックンの株の失敗談」を大公開します。
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■若き日のパックンの投資の失敗談
恥ずかしながら、僕は投資で大失敗したことがあります。
あのときは、とても落ち込みました。
1990年代後半のことでしたが、今でも忘れられません。
当時、僕は奨学金を完済して、ようやく投資を始めた時期でした。
「やっと僕も、投資をして不労所得を得られる!」とワクワクしていたときに、友達からシスコシステムズ(以下「シスコ」)というインターネット関連の株を勧められたのです。
その友達は株の売買で儲かり、BMWに乗るような派手な暮らしをしていて、まだあまりお金を持っていなかった、当時の僕にとっては憧れの存在でした。
そんな彼に「この株は絶対に伸びるから!」と言われて、僕はすっかり心をつかまれてしまいました。
そうしてシスコの株を買った僕は、「彼のように大儲けできるかも!」と期待に胸を膨らませていました。
たしかに、買ってからしばらくの間、シスコの株価は上がり続けていました。
でもその後、なんと株価が急に下り始めてしまいます。
「おいおい!」と思ったけれど、それでも最初のうちは、割と冷静でいられたと思います。
でもその後も、シスコの株価は目も当てられないほどに、毎日どんどん下がっていきました。
後から知ったのは、シスコ株を買った当時、株の世界ではインターネットバブルが起きていました。つまり、「IT関連株が本来の価値以上に値上がりしていた」ということです。僕は、値上がりに惹かれ、高値で買ってしまったのです。